こんにちは、Akkeです。この記事はドット絵 Advent Calendar 2017 21日目の参加記事です。
ドット絵自体のためになるお話は他の方が、詳しく楽しく解説してくれるだろうという事で、ドット絵を印刷したり冊子にする際のなにがしを書こうと思います。
ちなみにこの記事はドット絵もなければ文字ばっかりです。ご了承ください。
追記:2018の記事はこちら
もくじ
- なんで本なのよ?
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- ではドッド絵本を作るには?
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- オンデマンドとかオフセットとか
- 本にする上での豆知識
- 紙面作り
- 最後に
- Link
自分が作って楽しかったから。人にお勧めするのってお商売でなければ基本自分にとって良かったものですよね。ドット絵打つもの楽しいし、それをまとめて本にするのもなかなか楽しさがあるのです。
ちなみに私の激押しドッターのフミさんとドット絵サークルをやっていてドット絵の本やグッズを作っては同人イベントなどに参加してます。よろしく!(ダイマ)
ドット絵を本にするメリット
- 物理的に保管できる
- 地味に大事なところです。外付けハードやCDROM、クラウドに保存しとけば大丈夫!と思ってませんか?私は思っていました。結構簡単に消えるんですよアレ。本当にアッサリと…。逆に言えば、本などの印刷物にすると保存状態がよければ結構な未来まで残ってしまうって事なんですが、そこは、まぁ。
- ポートフォリオとして使える
- 作ったものが詰まってるわけなんで、パッと見でどういうもの打てるのかどの程度打てるのかがわかるんですね。基本部数が増えた方が※1冊単価は下がるので、もしお仕事に繋げたいなって思いがあるなら数冊余分に作っておいてもいいかもしれません。
※この辺はオンデマンドだと一概にも言えない部分があるので後ほど
- 自己満足
- 自分の作品たちが1冊の作品集になるというのは、いいぞ!!楽しい!!!!!!
デメリット
やっぱりそれなりにデメリットもあります。
- 発色そのままに再現できない
- 後ほど話がでますが、ざっくりいうとモニターと印刷で表現できる色域が違います。普通の黄色と水色の絵の具で蛍光グリーンは作れないのです…。
- アニメーションが反映できない
- まだデジタルペーパーなんぞ一般的ではないので、一コマづつ並べるしかありません。それはそれで見る方は楽しいのですが、ウゴウゴヌルヌル動くドット絵も脳汁が大変になるよね。
- 印刷費がかかる
- モノ自体と作業するヒトが関わるのでここはしょうがないところです。お財布とよく相談しましょう。
- 在庫
- 個人用に数冊作るだけであれば多少本棚が狭くなるだけですが、頒布目的で大量に刷った場合在庫ができてしまう場合があります。同人イベント参加もたのしいよ。おいで〜。
大きく分けて印刷屋さんに印刷と製本を発注して作る方法、自宅やコンビニ、キンコーズなどの出力センターでプリントして自分で製本する方法などがあります。といいつつ、最近のコピー機だと面付や簡易製本までしてくれるんですってね…すごいね…。
とりあえず、業者にまるっとお任せして完成品が届く前者を前提に進めていきます。手製本の話もしたいけどかなり本筋からそれるので…!
オンデマンドとかオフセットとか
- オンデマンド印刷
- 本来の意味はともかく、主流はコピー機の上位版で出力したもの。
少部数作るのに向いています。目安としては1~50冊程度。
いわゆるフォトアルバムサービスなどはデザイン自由度は下がりますが画像用意するだけでお手軽に一冊作れちゃいます。
部数が大きくなると一冊あたりの単価は殆ど変わらないので大体100冊辺りを目安にオフセット印刷より高上がりになります。
- オフセット印刷
- 大きな版を作って印刷するので沢山刷れば刷るほど1冊単価は安くなります。
また大抵の場合、破損したり汚れなどがあった時の為に余部が付いてきます。(余談ですが、100部刷って余部が50部ついてきたときは死ぬかと思った)
個人で刷るなら同人誌印刷や印刷通販のフルカラー冊子あたりが丁度いい内容と価格帯だと思います。
本にする上での豆知識
避けては通れないRGBとCMYK
特に緑や青はくすみやすいよ!(シアンが混ざるとなにかとくすむらしい)
Photoshopなど最初からCMYKモードで製作したり、CMYKの数値で色を作ると多少印刷時の違和を軽減できます。
CMYK変換例
左がそのままCMYK変換したもので、右がチャンネルなどを使って調整してみたものです。全体的に若干くすむというのと、図は少し色相がズレてしまいましたが調整である程度色の再現ができるというのもわかると思います。印刷屋さんに資料請求すると用紙や印刷見本をもらえたりします。(※有料のところもある)発色の参考になるので、できれば事前に入手しておくといいでしょう。
そもそもの話として
色合いはモニターの色調整(キャリブレーション)ができてないと実際のところ無意味ですし、きちんと色校正入れないとモニター側の色調整ができてても印刷機の状態で色合いが変わって来るので、お安く仕上げたい場合は妥協するしかないのです…。また、フォトアルバム系だとデータがJPEG形式しか対応していないこともあるので。
が!!逆にお手軽ではないけど、お金をかければなんとかならんこともない!!
- 色校正
- どうしでも再現が無理な色があるとしても、印刷機の調子によって若干全体が赤みに寄ったり青みに寄ったり、はたまた濃い淡いということがあるので事前に確認する作業です。
- 特色印刷 ※オフセット印刷
- その領域がないならその色で刷ればいいじゃない的発想。これならメタルカラーとかもできるよ!
特にくすみやすい明るい緑や明るい青を追加で入れたり、多色刷りの版画のようにパレットの色毎に特色インクなんて手もあります。
(後者は商業誌並みに刷らないと一冊単価がトンデモないことになります。
ついでにリッチブラックのこと
黒色をK100%にしたのをスミベタ、K100%にCMYを各10〜40%追加したのをリッチブラックといいます。(RGBからの変換だったらCMYKが程よく混ざって表現されるはず)実際に関わってきそうなところだと、CMYKで色作る時に黒をスミベタでやると、ケヌキと呼ばれる微妙な空白ができたり周りの濃色より薄くなってしまいます。オーバープリントで調べるとより詳しい解説があります。
紙の厚さ
ページ数が少ないものは厚く、多いものは薄くが基本。
だいたい32p以下くらいだと本文用紙は135kg〜200kg程度あると見栄えするよ。
ちなみにうちで出してるフルカラーのドット絵本は表紙込24P/マットコート135kg また、表紙のPP加工をすると本文と同じ厚みでもこころなし薄く感じたりするので、本文より厚めの紙にするのがおすすめです。
紙面作り
もし使いたい印刷所でテンプレ配布してるならそれを使えばOK。
拡大時に整数倍とニアレストネイバー法で拡大するのを忘れないでね。
本づくりの基本的なポイント
つらつらと書いてますが「初めての同人誌」とか「原稿の作り方」ってタイトルで有志の方や印刷所が解説したページが色々あるので詳しくはそっちをみてほしい。
- タチキリ・塗り足し
- 印刷時であったり製本時にどうしても多少のズレが出てきます。
そこに余裕を持たせておく部分です。
- ノンブル
- いわゆるページ番号。
落丁乱丁やページ計算ミスを防ぐためにも入れた方がいいです。
(クリスタは自動で入れてくれるのでちょうべんり)
デザイン的に入れたくない場合はノド側のタチキリ線ギリギリに入れる隠しノンブルという手もあります。
- ノド
- 本が綴じられてる方の部分。
無線綴じだとページ数が多くなるにつれ見えにくくなります。
少なくとも1cmはとっておくと安心。
- 小口
- ノドとは反対側に開く方の部分。
- 天/地
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上部分の空きと下部分の空き。
- 内枠
- 上記の天・地・ノド・小口のマージンをとった部分
この辺のマージン幅などについては「紙面 レイアウト 基本」あたりで探すと詳しくためになる情報が出てくるので、よりカッコいい紙面を目指すなら目を通すと吉。
- 奥付
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どこの誰が発行したかがわかるようにする。発行した責任を持つ。という目的があります。
同人誌で出す場合は必須。個人的な本でも発行日くらいは入れとくと後々見返す時のためにいいかと。
- 発行日
- 同人誌なら初出しのイベント日、個人用なら印刷した日あたりかな?
- 印刷所
- 同人誌として頒布、特にコミケで頒布予定の場合は必須。
- 発行者・著者
- 発行者にサークル・団体名、著者に個人名入れることが多いと思う。
- 連絡先
- 人様に配布する場合は入れておきましょう。昔はドンと住所が載っていたそうですが今はメルアドとサイトURLが主流。
QRコードでメールフォームやアンケートフォームに繋げたりなんていうのもあるそうです。
ドット絵的に書いてあるとよさそうな情報
必須ではないけれど、見た時に参考になるドット絵の基本情報など。
- 色数
- サイズ
- パレット
- 製作時間(ポートフォリオとしても使う場合はあった方がいい)
- 製作年月日
あと個人的に各ドット絵や本全体でも一言、コメントついてたりすると楽しい。
殆どデジタル絵を冊子にする際の話になってしまいましたが、フルカラー冊子やグッズもだいぶお財布お小遣いに手が届く価格で作れるようになった昨今、この機会におひとつ作ってみていかがでしょうか。